こんちゃっす。
楽天のセールでついつい余計なものを買いがちな木村です。
ポイントって人の頭を馬鹿にするようで、単純な値引以上に購買欲をくすぐられるような気がしてます。で、この「購買欲をくすぐる」仕組みは、身の回りに溢れています。
なにしろ、日々買い物の7割が「つい買っちゃった」なんですから!
「計画購買」と「非計画購買」
言葉の意味
「計画購買」とは、文字通り計画的な購買のこと。実店舗の場合、入店前にあらかじめ買うことを計画していたものを購入すれば、それは「計画購買」と言えます。
一方、「非計画購買」は、計画の内に入っていない購買のこと。入店してから購入することを決め、実際に購入したのであれば、「非計画購買」です。
そして、この「非計画購買」が日々の買い物の7割だそうです。
「いやいや、私はいつだって計画購買ですよ、必要だから買うし、いらないものは眼中に入らないんですもの!」
そう言いたい方もいると思いますが、じゃあどうして「買い物の7割が非計画購買」なのか、例をもとに見ていきたいと思います。
「計画購買」の例
ミサコ(仮名)さんは、千葉県に住む主婦です。子どもも保育園に送り、洗濯を干し、これからスーパーに向かうところです。
「そうそう、今日買うものは……と」
ミサコさんは買い物メモを書き始めます。そのメモにはこんなものが書いてあります。
- 人参
- 玉ねぎ
- じゃがいも
- 牛肉
きっとカレーを作ろうとしているのでしょう。
このように、購入前に事前に買うものがわかっている場合、それは「計画購買」と言えます。
買い物メモがなくとも、たとえば毎週○曜日に卵の特売があるからその日に買っている、のような場合においても同様です。そして実店舗だけに限らず、たとえば「ルンバ買おう」と思ってAmazonを開いてルンバを買ったのなら、それも「計画購買」です。
「非計画購買」の例
さて、スーパーに着いたミサコ(仮名)さんは、入り口に人参、玉ねぎ、じゃがいもが売っているのを発見し、買い物かごに入れます。
そして、牛肉を買おうとお肉コーナーへ歩いていると、「白菜1/4カット62円」の文字が。これは安いので買わねばなりません。白菜をかごに入れます。
さらにお肉コーナーではウインナーの試食が。ひとくち食べると、口の中を肉汁がじゅわっと流れます。販売員のおばさん曰く、「単にフライパンで焼くよりも、ボイルしたり、フライパンに薄く水を張って転がすように焼くといいわよ」とのこと。そこまで話し込んでしまっては買わないわけには行きません。ウインナーもかごに入れます。
その後、目当ての牛肉も購入したミサコさんは
- 人参
- 玉ねぎ
- じゃがいも
- 牛肉
- 白菜
- ウインナー
を購入します。
おわかりのように、白菜とウインナーは「非計画購買」です。
ミサコさんのように特売やセールスによる購入をしたことは多いでしょう。また、「スーパーに入ってから晩御飯を考える」という方も少なくないのではないでしょうか。
実店舗でなくとも、「まとめ買い対象商品」だからと別の商品も買ってしまったり、「2個以上購入で○○円」という文言につられて余計にもうひとつ買ってしまったりしてしまうものです。こうしたものはすべて「非計画購買」です。
「非計画購買」は罠?
売上は「非計画購買」がつくる
誰しもが計画的にしか購入しないのであれば、売上は常に同じです。
だからこそ、「より売るため」には「非計画購買」の比率を上げなければなりません。たとえばクリスマスだからとケーキやおもちゃのセールを行ったり、ゴールデンウィークだから少し高めのお肉を販売したり、みたいなものです。
このような「非計画購買」について、いち購入者として考えてみることは、余計な購入・余計な出費について考えることにもなります。
次では、こうした「非計画購買」の戦略について見ていきましょう。
「非計画購買」の戦略
非計画購買には、購入を喚起する仕組みと、環境を整える仕組みとがあります。
購入を喚起する仕組みとしては、
①思い出させる:「必要だった」と思わせる。
②考えさせる :「必要なんじゃね?」と思わせる。
③お得感を演出:「お得だ!」「買わなきゃ損だ!」と思わせる。
④新しさを演出:「新しい/見たことない、ほしい!」と思わせる。
とくに③や④なんかにはちょくちょくやられてる気もします。
環境を整える仕組みとしては、
①手間を減らす:ネットショップの使いやすさって大事。
②滞在時間を長くする:長くいるほど買ってくれる。
③客導線を長くする :②と同様。長くいてくれやすくなるし、多くの商品を見てくれる。
100円ショップってなんであんなに商品を見つけにくいんだろ、って思うことがたびたびあったのですが、②や③を考えてみると、なるほどなーって感じです。お客がお目当ての商品を探しているうちに他にも買いたいと思う商品を見つける機会が増えますもんね。
こうした外部要因が私たちの「非計画購買」を左右しています。
店としても短期的な売上だけでなく、お客が「非計画購買」した商品を気に入り、のちに「計画購買」の一部になってくれれば、長期的売上のベースアップにも繋がります。
「非計画購買」は悪?
「非計画購買」を煽るのはけしからん!
という声も聞こえてきそうですが、しかし一概にそうも言い切れないものでもあったりします。
なぜなら「非計画」であった要因は、もちろん「不必要だから」ということもありますが、「そもそもその商品を知らなかった」ということもあるはずです。
その最たる例が「本屋」だと思っています。
本屋の最大の魅力は、「自分の知らなかった本と出会う場」ということ。
必要な本のみ買う方もいるでしょうが、本屋を見かけたらついつい足を運んでしまうひとは、「なんか面白そうな本はないかな」と思いながら本屋に入るものです。
ふらーっと、小説コーナーを歩いてビジネス書コーナーを歩いて歴史書コーナーを歩いて、そして科学書コーナーで思いがけない良書を見つけたり。
このように「非計画購買」(自分の知らないものを買う)のために買い物をするとき、その時間こそが楽しみになっていたりするものです。言うなれば「計画的非計画購買」。
AmazonなどのECサイトでは、
- 検索できないもの
- おすすめされないもの
は、そもそも見つけることができません。
ECサイトと比べたとき、リアル店舗の最大の優位性はこうした「非計画購買」にあります。
ショッピングって、楽しいものですからね。
結論
「計画購買」「非計画購買」について見てきましたが、必ずしも店舗の戦略に対抗する必要もないんじゃないの、ってのがぼくなりの結論です。
大事なのは「自分にとって必要か」という視点。
自分が行おうとしているのは「計画購買」なのか「非計画購買」なのか。
それを意識するだけで無駄な買い物がなくなったり、逆にステキな商品に巡り会えたりするかも。
楽しく、ショッピングに向き合いましょう。
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- 計画購買:買う前から決めてた買い物のこと。
- 非計画購買:思わずお店で買っちゃったもの。非計画購買が7割!
- リアル店舗:実店舗。ECサイトに対してこう呼ばれるように。
- ECサイト:electronic commerce site の略。インターネット上での売買取引できるサイトのことだと思えば概ね正解。大手だとAmazon、楽天とか。