こんちゃっす。木村です。
先日、嫁氏とふたりでおうち映画鑑賞してました。
その中で象徴的に蓮の花が登場してきたので、映画鑑賞後に「あの蓮の花がいいよねー」的なことを言ったらキョトンとされてしまいました。なんてこった!
物語の中で登場する花は、往々にして何かの象徴として用いられることが多いもの。
花の知識があるかないかで、物語を観るときの楽しみがもっと増えるはず!
この記事では、映画やアニメなどに度々登場する花についてご紹介します。
ご自身でマンガや小説を創作する際のネタのひとつとしてもご利用ください。
代表的な【花】4選
【死を暗示!?】彼岸花
彼岸花(ヒガンバナ。学名:Lycoris radiata)
花言葉:「情熱」「独立」「あきらめ」など
「彼岸」って響きがカッコいいですね。別名「死人花」なんて呼ばれたりもすることから、「死」や「あの世」の象徴として用いられることも多い。ちょっぴり中二病心をくすぐられたりします。
そもそも「彼岸」は、春分・秋分の日の前後3日含めた7日間のことを指します(春分と秋分で計14日間ですね)。春分・秋分は昼夜の長さが同じになる=太陽が真東から昇り真西に沈む ことから、「あの世」へと通ずる期間であるとされていたわけです。
「あの世」→「あっちがわ」→「あっちの岸」→「彼岸」ですね。
そんなお彼岸の時期(正確には秋の彼岸のみ)に、赤い花を咲かせることで、彼岸の時期に咲く花として「彼岸花」と呼ばれるように。しかも球根には毒もあるってことで、「死」のイメージとも結びつきやすかったとも言われています。
【GLだけじゃない!】百合
百合(ユリ。学名:Lilium)
花言葉:「純粋」「威厳」など(白百合の場合)
百合って言ったらアレだよね!
女の子がふたりでキャッキャするやつ!
とか言って飛び跳ねてるキミ、そこに座りなさい。
百合が女性同性愛の隠語と言われるようになった起源は諸説あります。
その中でも、男性同性愛雑誌「薔薇組」内の女性読者コーナーのタイトルが「百合組」とされたため、ってのがメジャーな説。他にもちらほら起源っぽい話も出てますが、今回は割愛。
球根部が何層にも重なっているため、「百の根っこが合わさってる!」ということで「百合」って書かれるようになったとか。ちなみに百合の根は食べられます。「ゆりね」って言ったら聞いたことあるのではないでしょうか。
で、この百合なんですが、チューリップよろしく多くの品種があり、色とりどり。代表的なのは白ですが、他にも赤だったりオレンジだったり黄色だったり。
そして「花言葉あるある」なのですが、色ごとに花言葉が変わります。
- 白:「純粋」「威厳」など
- 赤:「虚栄心」など
- 橙:「華麗」「軽率」など
- 黃:「陽気」「偽り」など
つまり、百合=女性同性愛というイメージに囚われすぎてると、意外なメッセージを見落とす可能性があるということです。ニッコリと黄色のユリの花束を抱えていて、それが実は最後のシーンを暗示している、的なね。
【蓮と睡蓮 違いわかりますか?】蓮
蓮(ハス。学名:Lotus)
花言葉:「清らかな心」「神聖」「離れゆく愛」「雄弁」など
よく間違えてしまうのが、「蓮」と「睡蓮(スイレン)」。
仏様が座ってるのは蓮で、クロード・モネがよく描いたのが睡蓮です。
ネットで見かけたこの図がわかりやすかったので引用します。
蓮の根は「れんこん」としてよく食べますね。
食物繊維たっぷりです。煮物に入れるとナイス。
で。
花托(かたく)、花が開く部分が蜂の巣のように見えるということで、「はちす」→「はす」となったそうな。この花托、見る人によってはぎょっとするかも。集合恐怖症のひととかは注意ね。
で、この蓮なんですが、泥の中から生えてきれいな花を咲かすということで、「清らかなもの」というイメージと結びつき仏教では象徴的に用いられています。先に書いたように、仏さまは蓮の華に座ってたりします。死後、極楽浄土へ行く際は、この蓮華座(れんげざ)に座った仏が迎えに来るみたいです。ほ、仏さまー!
ちなみに、ラーメンとか食べるときに使う「レンゲ」はまさに「蓮華」のこと。
正式名称は「散蓮華(ちりれんげ)」なので覚えといてね!たぶん使わない知識だけど!
【少女といったら】マーガレット
マーガレット(和名は木春菊(もくしゅんぎく)。学名:Argyranthemum frutescens)
花言葉:「誠実」「慈悲」「心に秘めた愛」など
花占いとかで「すき・きらい・すき……」と花びらがよくちぎられがちな花。
というと身も蓋もないですが、自分の恋を占う意味でも「心に秘めた愛」って花言葉がついたりする可愛らしい花です。ちなみに、花びらの数はもともと奇数なので、花占いを「好き」で始めたら「好き」で終わるのだとか。へぇー。
そんなこんなで、恋に悩む少女の象徴だったりなんだったりで、集英社から「週刊マーガレット」が創刊されたりします。『ベルサイユのばら』などが連載された、今でも続く、少女マンガ雑誌ですね。
まとめ
- 彼岸花
- 百合
- 蓮
- マーガレット
の4種の花について見てきました。
どれも映画やマンガなどにたびたび登場します。そのときに、「もしかしたらこれは〇〇を暗示してるのかも……」なんて思えたら、より一層物語を楽しめます。なにかひとつでもあなたの知識にしていただけたのなら幸いです。
ただ、こんなのまだまだ序の口です。
日本の桜の話だったり、チューリップを持ってると金持ちになった時代だったり、語り始めたらきりがありません。
花言葉や花の用いられ方の歴史は、かなり長いもの。
それを少しつまんでギュッとしただけなので、気になる方はぜひご自身で調べてみてください。
今日のキーワード
- 花言葉:花の種類や色ごとに、つけられた意味。国ごとにも微妙に異なる。
- 彼岸花:彼岸の時期に咲く花。赤がきれい。
- 百合:多くの品種のある花。
- 蓮:蓮と睡蓮って違う。仏教と結びつきの強い花。
- マーガレット:花びらの数は奇数。